効果てきめん!怒りに打ち勝つ「感情トレーニング」の方法:5つの手順
過去に人から言われた言葉や経験を思いだしてイライラし、そんな自分にため息が出ることはありませんか?
そんな落ち込む時間を、楽しい時間に変えてしまう方法があるのです。
実は、私も過去に言われた言葉を思い出して、イライラが止まらない時期がありました。
そんな自分に気づく度に、ため息が出ていたものです。
しかし、今からお伝えする内容を行っていくうちに、驚くほど落ち込む時間は減っていったのです。
そこで今回は、私が実践した「感情トレーニング」の方法を、5つの手順に分けて具体的にお伝えしていきます。
イライラが楽しい時間に変わる理由
一度イライラし始めると、あれもこれもと嫌な経験まで思い出して、さらに負の感情のループにはまってしまうものです。
では、楽しい計画をたてている時は、どんな感情になっているでしょうか?
きっと、ワクワクした楽しい気分に満たされているはずです。
そのため、意識して楽しい時間を作る「感情のコントロール」ができるようになると、イライラしている時間をワクワクする時間に変えることができるのです。
想像するだけで気分が上がるくらいの楽しい計画を「今」たてる
はじめに、楽しい計画について、少しだけ時間を取って考えてみましょう。
その理由は、イライラし始めてからでは、楽しいことを思い浮かべにくいからです。
そのため、イライラしていない今の時間に、楽しい計画を立てておきましょう。
しかし、「楽しい計画って言われても、なかなか思い付かないなぁ。」と思う人もいるかもしれません。
たとえば、結婚されていて子育てで忙しい人ならば、「独身時代に叶えられなかったこと」を思い出してみてください。
今だけは、家族のことを優先にして生活する自分をとなりに置いておいて、
「独身時代に叶えられなかったけど、今なら実現できるかもしれない」
と思うことを、脳をフル回転して思い出しましょう。
思い描いているうちに、ニヤついていたり、テンションが上がっていたりすることであればそれを楽しい計画にします。
それを紙にメモっておいて、目に入りやすい冷蔵庫の扉や壁に貼り付けておきましょう。
ちなみに、私の場合は、独身時代に「福山雅治さんのコンサートに行きたいっ!」と思っていたものの、叶えることができませんでした。
独身時代の仕事は、有給もとれず、休みの日も講習会に行くなど、コンサートに行ける時間が全く取れなかったからです。
そのため、「コンサートに行きたい」という思いを封印するようになっていきました。
しかし、「楽しい計画って何があるかなぁ」と考えているうちに、そのことをふと思い出しました。
すると、「やっぱり、福山さんコンサートに行ってみたい!」と思い始め、気分も一気にあがってきたのです。
そして、コンサートに行くことを想像するだけでワクワクしてきました。
楽しい計画は気持ちが穏やかなときの方が思い浮かびやすいです。
今のうちに「実際に叶いそうなこと」を楽しい計画として決めておきましょう。
具体的な実践内容5つの手順
それでは、「ワクワクした気分に変える方法」を5つの手順に分けて、具体的にお伝えしていきます。
手順1:イライラタイムを把握する
今回の感情トレーニングは、イライラする自分にヘコむ時間を少しでも減らす目的があります。
そのためには、イライラし始める直前に楽しい計画を思い浮かべることが必要です。
ただ、何気なく1日を過ごしていると、「自分が今、どのような感情でいるのか」ということに気づかないものです。
そのため、今日から自分のイライラしやすい「イライラタイム」を意識して過ごしていきましょう。
ちなみに、私の場合は、1人で家にいて内職をしている昼間の時間でした。
当時、パソコンの保護フィルムのふちに、5㎜幅のスポンジを貼る内職をしていたのです。
家族が家にいて忙しくしている時間にはあまり思い出さず、一人の時間に思い出すことが多いことに気づきました。
あなたも、「自分のイライラタイムがいつ起きやすいのか?」ということを意識して生活し、ジャストタイムで感情トレーニングができるように、準備をしておきましょう。
手順2:イライラタイムの直前に楽しい計画を思い出せる環境を作る
イライラタイムが把握できたら、それが来る直前に、「手順1」で立てた楽しい計画を思い浮かべましょう。
たとえば、食器を洗うときがイライラタイムならば、それに取り掛かる直前に冷蔵庫に貼ってあるメモ見て楽しい計画を思い描くのです。
ただ、食器を洗いながらメモを見続けるのは、難しいですよね。
そのため、イライラタイムが始まる直前に、楽しい計画を立てられる環境を作る方法がオススメです。
つまり、食器を洗う直前に、テンションが上がる好きな音楽を流してから作業に取り掛かるようにするのです。
私の場合は、内職を始められる準備をしてから、スマホでYouTubeで開き「福山さんのコンサート」か「福山さんのラジオ」の音声を流すようにしました。
このように、イライラタイムの直前に楽しい計画を思い出しやすい環境を作ると、イライラする前に楽しい気分になることができます。
基本は楽しい気分になっていたらOK! ただし、ここからがトレーニングの本番
「イライラタイムの時に、楽しい計画でワクワクした気分になっている」と気づくようになっていれば、基本の感情トレーニングはひとまず成功です。
ただ、「イライラし始めてから、楽しい計画を立てるにはどうしたらいいの?」といった疑問が出てきますよね。
過去に言われた言葉で嫌な気分になる原因として考えられるのは、その場で感じた怒りの感情を発散せずに押さえ込んだからです。
そのため、押さえ込んだ感情は、必ず溢れ出てきてしまうのです。
イライラはまるで、間欠泉のようでもあります。
1トン以上もある蓋で、間欠泉の入り口に閉めようと思っても、それをおしのけて水しぶきが上がってくることは想像できますよね。
それと同じように、押さえ込んだ怒りの感情も必ず溢れ出てきてしまうのです。
では、イライラが始まってから楽しい計画を立てるには、どうすればよいのでしょうか?
その対処法について、次で詳しく述べていきますね。
次でお伝えすることは、重要な方法ですので必ず読んでおいてください!
手順3:イライラしている自分を受け入れる
イライラし始めていることに気づいたら、怒りの感情があふれてくる自分を理解してあげましょう。
つまり、今、嫌な気分になっている心境を自分で受け入れるのです。
私の場合は「自分と対話」しました。
イライラしている自分に気づいたら、
「今、イライラしてる?」
と自分に聞きます。
「その時、イヤな気分になる言葉を言ってきた相手には、怒りをぶつけなかったから、まだ怒りがたまってるんだね」
と、また自分に言ってあげます。そして、
「今もまだ思い出してしまうくらい、すごくイヤな言葉だったんだね」
と、自分自身が、怒りの感情があふれる心境を理解してあげるのです。
押さえ込んだ感情は、消化されずに残っています。
そのため、自分と対話する本当の目的は、押さえ込んだ感情を消化することなのです。
これを体感すると、体の力が緩むような感覚になるはずです。
この時に、気を付ける点が1つあります。
「イライラしてはダメ」と、怒りを感じている自分を否定しないことです。
感情には「喜怒哀楽」があります。
このすべての感情を持っているのが、自分そのものなのです。
ということは、過去に言われた言葉を思い出して嫌な気分になっているのも自分自身なんですよね。
ですから、嫌な気分になっている自分を否定してしまうと、自分自身を否定していることと同じになってしまいます。
必ず、怒りを感じている自分も肯定し、理解して受け入れてあげましょう。
手順4:楽しい計画で頭の中をいっぱいにする
イライラしている自分を受け入れることができたら、「手順1」で立てた楽しい計画を思い浮かべましょう。
この時に、楽しい計画が浮かびにくいとしたら「手順3」の、イライラしている自分をまだ受け入れきれていない可能性があります。
ただ、手順3の工程は慣れないと難しいです。
そのため、イライラする自分に抵抗しつつ楽しい計画を立ててしまいましょう。
「まだ嫌な気分になっちゃうのも分かるよ。でも、楽しい計画を立てちゃった方がワクワクする気分になると思うよ。」
「そうしたほうがさ、眉間のしわも1本減って若く見られちゃうかもよ!!」
といったように、楽しい気分に近づく言葉を心の中で自分にかけてあげるのです。
そして、息つく暇もないまま楽しい計画を思い浮かべ続けましょう。
イライラの感情は、まるで「起き上がりこぼし」のようです。
そして、あなたのパンチを、「楽しい計画」と考えてみてください。
パンチしても、体勢を整えてくるのが起き上がりこぼしです。
その起き上がりこぼしを、吹っ飛ばすまで楽しい計画を立て続けるのです。
それを続けていくうちに、さっきまでイライラしていたのに、気づいたら楽しい計画で頭がいっぱいになって、ワクワクする気分になっています。
それを実感できたということは、イライラする自分に打ち勝ったことになるのです。
手順5:楽しい気分になっていたら必ず自分をほめる
楽しい気分になっていたら、必ず自分をほめてあげましょう。
実は、これがけっこうキモなのです。
自分をほめるということは、感情トレーニングを成功させた自分を認めることになるからです。
「でも、自分をほめるってどういうこと?」と思った人もいるかもしれません。
たとえば、3歳以上のお子様がいる方の場合、子どもがトイレトレーニングに成功したときを思い出してみてください。
「わー! すごいっ! 上手にできたね!!」
と、少し興奮するくらいの勢いでほめていたのではないでしょうか。
その時と同じように、
「すごいね! あんなにイライラしていたのに、今、もうワクワクしてるじゃん!!」
と、自分に心の中でほめる言葉をかけてあげるのです。
そして、ほめるときは、大袈裟すぎるくらいでちょうどいいです!
もし、「人に見られるのが恥ずかしい……」と思う場合は、トイレに入って行いましょう!
ちなみに、私がワクワクした気分に気づいたときは、本当に感動したものです。
「感情トレーニング、成功したじゃん! やったね!!」と心の中で思いっきり自分をほめました。笑
ただ、実際にトレーニングを開始して分かったのは、同じことを何度も思い出してイヤな気分になっているということです。
「相手に分かってもらえなかった」と自分が感じたことほど、それを思い出してイライラしているのです。
そのため、解消されたと思っていたのに、また同じイヤなことを思い出していてもヘコむ必要はありません。
その都度、今回学んだ手順を繰り返していくと、ふとそれを思い出してもさほど気にならなくなる時期が必ず来ます。
ヘコんでトレーニングをやめてしまうよりも、トレーニングをくりかえし続けて、自分で感情の調整をしていけるようになることの方が大事です。
参考:くせ・習慣の心理臨床的特性と対処法
(※クリックするとPDFファイルがダウンロードされます)
まずは、「1日1回出来たら必ずほめる」ことから始めてください。
そうすると、感情トレーニングが成功している回数が増えていることを実感でき、身についていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実は、この実践内容は、精神科医である和田秀樹さんの 感情トレーニングを参考にして私なりにアレンジして実践した方法です。
この本に出会った当時、私は34歳でした。
私は昔から、怒りの感情がその場で出せずに、後からじわりじわりとイライラするタイプで、それでヘコむ自分を変えたいと思っていました。
しかし、この本を読んでから「イライラする自分」を責めたり反省したりすることは、違うのだなとわかりました。
なぜなら、今まで反省しても自分自身が何も変わらなかったからです。
反省するよりも、楽しい計画を立てて、ワクワクした気持ちで脳内をいっぱいにしてしまうという新しい考え方を知り、実践することで感情のコントロールができるようになったのです。
さらには、2年後に本当に福山さんのコンサートに行くことができたのも、このトレーニングをしたおかげだと思っています。
イライラする自分に打ち勝ち、あなたの楽しい計画を実現させて、ワクワクした人生を送っていきましょう!